ビデオ会議における顔出し強制ハラスメントについて考える

f:id:harchmitz:20200816195626j:plain コロナ禍でオフィス勤務から在宅勤務中心の生活に移行して、ビデオ会議を活用する機会が増えました。 ビデオ会議は以前から活用していて、顔出しもしていました。 周囲の社員と比べると、自分は積極的に顔出ししていたほうだと思います。 しかし、在宅勤務になってからは、顔出しの機会は確実に減りました。 それはなぜか。 プライバシー保護のためです。 カメラをオンにすると、自室の様子が写りこんでしまいます。 Zoom のバーチャル背景を設定すればいいって? バーチャル背景に対応した端末を会社から支給されていない人はどうすればよいのでしょうか。 自分はまさにこの状況に置かれています。

幸い、自分の場合は、顔出しを求められるような状況はほとんどありません。 お客さまとの初回の打合せや、議論が中心となるワークショップで、自発的に顔出しする程度です。 でも、自室のプライベートな空間が極力写らないようにものすごく気を使っています。 自宅が狭いので、余計なものが写らないようにするのにも一苦労です。

先日、職場での新たな取り組みとして、1 on 1のコーチングが始まりました。 社員の多くが在宅勤務に移行してコミュニケーションが取りづらくなっている現下の状況で、色々な施策を試すことはよいことだと思います。 しかし、1 on 1の説明資料に残念な文言を見つけてしまいました。

1 on 1は表情などの視覚情報も重要であるため、顔出しを必須とする。

確か、このような文言だったと思います。 自分は、視覚情報の重要性は理解できるし、納得もしています。 ただ、もう少しプライバシーに配慮してほしかった。 せめて、バーチャル背景を使える IT 環境を会社が提供してからにしてくれ、と。 人間らしい生きる権利が脅かされています。

業務優先で個人のプライバシーを蔑ろにするのは、もはや許される時代ではありません。 その顔出し、本当に必要ですか?